TECHNOLOGY
技術・開発
放電破砕工法
安全性と環境への影響を考慮した「EDICS」。
連続騒音や振動の発生を制御でき、市街地での施工も可能です。
「EDICS」の破砕の仕組(基本原理)は、高電気エネルギーにより、放電チップと液剤を反応させ、発生する瞬間的膨張力により破砕する工法です。
特長

- 火薬類取締法の規制を受けません。
- 破砕力をコントロールできます。
- 振動・騒音・粉塵の発生が制御できる、優しい工法です。
- 消費電力が少ない省エネルギー工法です。
- 大型重機が使えない狭い現場や、室内でも施工が可能です。
「EDICS」の基本的な仕組

- 「EDICS」は、高電圧を瞬間放電できる装置と、放電現象を発生させる放電チップ及び、反応液を封入した放電カートリッジ「エコリッジ®」から構成されています。
- 高電圧(1.5kV~3kV)を「エコリッジ®」へ高速で供給します。
- 放電現象によって「エコリッジ®」の放電チップと反応液が反応し、瞬間的な膨張力(破砕力)が発生します。
- 破砕力は、放電カートリッジ「エコリッジ®」のサイズによりコントロールします。
能力
騒音・振動・粉塵などの公害特性に優れた「放電破砕工法」。その破砕能率は1日当たり5~25m3。
破砕力は最小10cm×10cm(コンクリート)程度から調整できます。
- 破砕力の制御により騒音・振動の制御が可能
- 硬岩(一軸圧縮強度350MPa)やRCにも適用可能
- 装置、カートリッジの取扱いが容易
- 隣接している躯体との間に、隙間があれば、影響を与えない
- 法的規制を受けないため、施工時に、資格・届出を必要としない
【粉塵】 簡易なシート養生で抑制可能
構成要素
「EDICS」放電破砕工法は、放電衝撃発生装置(ESG-3K1タイプ)と放電カートリッジで構成しています。

放電衝撃発生装置
型番 | ESG-3K1 | ||
---|---|---|---|
入力電源 | AC100V | ||
放電電圧 | 3,000V | ||
出力数 | 1 | ||
充電時間 | 40s | ||
エコリッジ®最大接続数 | 3本×6系統増設可能 | ||
装置寸法 (W×L×H) |
操作盤 | 80×240×250mm | |
制御盤 | 200×500×685mm | ||
高圧盤 | 533×510×788mm | ||
重量 | 操作盤 | 2kg | 139kg |
制御盤 | 27kg | ||
高圧盤 | 110kg |

ワンボックス車に積載可能
エコリッジ®(放電カートリッジ)
SSS | φ10×55mm | 1.2cc | φ12 |
---|---|---|---|
SS | φ10×79mm | 2cc | φ12 |
S | φ15×55mm | 5cc | φ18 |
M | φ19×60mm | 12cc | φ20 |
L | φ27×60mm | 25cc | φ30 |
付属品

放電ケーブル

防爆シート

ウェイトマット

タンピング材(砂)

タンピング用治具

樹脂タンピング剤A

樹脂タンピング剤B

放電カートリッジ【エコリッジ®】
対象
岩盤の掘削から、構造物(コンクリート)の解体、転石破砕、伸縮装置取替、そして支承部補修等、また、機械掘削では困難な工事、民家近隣地等、あらゆるシーンでの施工を可能にしました。
- 大型重機が不用
- 狙った位置だけを掘削可能

- 硬岩破砕(実績350Mp/一軸圧縮強度)が可能
- 振動制御が可能

- 既設鉄筋を切断しない
- 微小な制御破砕が可能

- 天井まで30mmの空間で撤去が可能
- 既設構造物への影響は最小限

- 鉄筋コンクリート破砕の応用
- 片側車線での施工が可能

- 大規模な交通規制が不要
- 大型重機が不要

- 機械掘削では困難な掘削が可能
- φ5m以下の深礎工も可能

- RC構造物と硬岩盤の同時除去が可能
- 既設配管や構造物への影響が少ない

Q&A
費用に関するご質問
- Q標準施工単価はありますか
-
- 下記に示す金額は、カナデビアエンジニアリングが標準施工を行った場合の参考金額です。
- 標準単価は、施工条件により大きく変動します。
- 実工事にあたっては、必ず見積依頼をお願いします。
- 施工条件に制約がなく標準破砕が可能な場合を想定しています。
- 施工範囲は、穿孔から1次破砕完了までとします。
法面転石破砕工(200m3) ¥50,000~¥80,000円/m3 深礎岩盤破砕工(φ5m、200m3) ¥100,000~¥160,000円/m3 鉄筋コンクリートリニューアル工(50m3) ¥130,000~¥200,000円/m3 ※標準施工が可能、( )内数量以上、手待ちがない、騒音・振動の制限がない、2次破砕は別途、穿孔から放電まで、
雨天中止、放電装置1台施工、放電オペレータ1人
- Q特許費は発生しますか
-
特許使用料は設定しておりません。
放電破砕工法は、4件の特許を保有しています。(2023年9月現在)
- Q装置のレンタル料金はいくらですか
-
放電装置は、一般ユーザーへの販売・レンタルを行っていません。
(カナデビアエンジニアリングの認定業者が施工を担当しています。)
- Q放電カートリッジ(エコリッジ®)の単価はいくらですか
-
エコリッジ®の標準販売価格は次の通りです。
(2023年4月改訂)
エコリッジ®-SS ¥2,600円/本 エコリッジ®-S ¥2,750円/本 エコリッジ®-M ¥2,900円/本 エコリッジ®-L ¥3,200円/本
一般に関するご質問
- Q放電破砕工法とはどのような工法ですか(原理)
-
破砕対象物に穿孔を行い、その中に放電カートリッジを埋め込みます。
その後、高速大電流を流すことで高い衝撃力を発生させます。
その力を利用し、対象物を破砕する工法です。
- Qどこで何に使うのですか 特に有利な施工は何ですか
-
転石破砕、深礎の硬岩破砕、都市部のリニューアル(基礎破砕)など従来の標準施工では、施工が困難な場所で対象物を破砕します。
- 破砕対象物に重機が近づけない所での破砕が可能
- 狭くて大型施工治具を搬入できない場所での施工が可能
- 標準施工で破砕できない硬岩破砕が可能
- 連続騒音や連続振動の抑制・制御が可能
- Q利点と欠点、一般破砕工法との違いは何ですか(PAB含む)
-
標準施工の一覧表を参考にしてください。
- Q海外での施工実績はありますか
-
海外展開は検討中ですが、施工実績はありません。
- Q装置の保有台数はどのくらいありますか
-
標準タイプ 11台
- Q施工のために特別な資格は必要ですか
-
公的な資格は必要ありません。 ただし、施工にあたってはカナデビアエンジニアリングが認定した資格者が必要です。
また、1級土木施工監理技術者による監督を推奨しています。
- Q法的規制はありますか
-
施工に対する法的な規制は有りません。
ただし、エコリッジ®を保管する場合は、現場当たり20kgが上限となります。
また、単発ですが騒音・振動は発生しますので、近隣住民への説明が必要です。
- Q特許製品ですか
-
放電破砕工法は、4件の特許を保有しています。(2023年9月現在)
- QNETISに登録されていますか
-
登録済です(登録番号:KK-050047)。ただし、一般公開は終了しています。
- Q施工実績はどの程度ありますか
-
工事実績の一覧表で確認してください。
施工に関するご質問
- Q施工ができない条件はありますか(施工中止)
-
- 天気 雨天は施工中止
一般的な条件を示していますが、装置の養生等によって施工が可能になる場合もあります。
また、施工場所によっては当社の判断で施工不可能とさせていただく場合もあります。
- Q標準施工単位はどの程度ですか
-
【基本施工単位】
連続放電可能間隔(理論値) 5分/回 放電ケーブル延長 200m 最大(カートリッジ1本) 同時破砕数(エコリッジ®数) 3個/回/ケーブル 穿孔数(3人1組として) 120孔/日 破砕数(3人1組として) 120孔/日 【標準施工数量(放電による1次破砕を示す/3人1組として)】
転石破砕工 10m3/日(1パーティー) 深礎岩盤破砕工 5m3/日(1パーティー)
- Qどのような治具が必要ですか
-
標準施工での機材リストを示します。
施工内容によっては、以下の治具以外にも必要なものが生じる場合があります。【放電装置関連】
- 放電装置放電
- ケーブル放電
- カートリッジ(エコリッジ®)
【穿孔関連】
- 穿孔具ハンマードリル
- 穿孔具エアードリル
- 穿孔具ハンドコアドリル
- タンピング材(砂、特殊材)
- タンピング棒
- ハンマー
【養生関連】
- ウェイトマット
- 特殊防爆シート
- 標準防爆シート
【現場作業】
- 発電機
- エアーコンプレッサー
- Q放電ケーブルの最大延長はどの程度ですか
-
放電ケーブルの標準延長は、40mです。 最大80mまで延長が可能です。(エコリッジ®3個/ケーブルの場合)
- Q放電カートリッジ(エコリッジ®)の最大同時施工数はどの程度ですか
-
放電カートリッジの同時施工数は、1ケーブルにつき標準で3個です。
- Q穿孔サイズと深さの制限はありますか
-
放電カートリッジは、施工方法によって、SS/S/M/Lの4タイプを用意しています。
エコリッジ®SS 最適穿孔サイズ(12φ) 穿孔長(100~300mm) エコリッジ®S 最適穿孔サイズ(18φ) 穿孔長(200~300mm) エコリッジ®M 最適穿孔サイズ(20φ) 穿孔長(300~500mm) エコリッジ®L 最適穿孔サイズ(30φ) 穿孔長(300~500mm)
- Q放電カートリッジ(エコリッジ®)サイズと能力を教えてください
-
放電カートリッジは、施工方法によって、SS/S/M/Lの4タイプを用意しています。
カートリッジが大きくなれば破砕力は増大します。
全てのサイズのカートリッジで、硬岩(強度150MP以上)破砕が可能です。
施工要領や破砕対象物によって、カートリッジサイズを選択するとともに、穿孔ピッチや深さについても事前検討により決定する必要があります。 場合によっては、試験施工を行うことを推薦しています。
- Q水中施工はできますか
-
可能です。ただし、水深が深い場合は治具などの検討が必要です。
- Q施工体制はどのような構成になっていますか
-
カナデビアエンジニアリングが行う場合の、標準施工体制を示します。
放電コンサルタント 1名(必要な場合) 放電装置オペレータ 1名 土木世話役 1名 特殊作業員 3名 普通作業員 1名(必要な場合)
技術に関するご質問
- Qエコリッジ®とは何ですか
-
物質名は公開していません。
- 「火薬類取締法」の規制は受けません。
- 消防法での分類 「危険物第5類」
- 消防法での等級 「危険物等数Ⅱ」
- 圧力による反応性は非常に鈍感であり、一般の取り扱いで反応することはありません。
- ダイナマイトと異なり爆轟現象は発生せず、燃焼膨張力で破砕を行います。
- 例えば、「危険物第1類」は激しい燃焼や爆発するものと規定されています。
- 例えば、「ガソリン」は「危険物第4類 引火性液体 第1石油類 危険物等級Ⅱ」となります。
- Qエコリッジ®の取り扱いに資格は要りますか
-
法律の指定数量の1/5以下では、法的な規制はありません。(カナデビアエンジニアリング基準:20kg以下)
- Q装置のサイズはどの程度ですか
-
操作盤 240mm×80mm×250mm 制御盤 500mm×260mm×685mm 高圧盤 510mm×533mm×830mm
- Q装置の重さはいくらですか
-
操作盤 2kg 制御盤 27kg 高圧盤 110kg ※一式で約140kg
- Q後ガスの発生はありますか
-
後ガスの発生はあります。
- CO
- NOx
※作業環境が閉鎖状態の場合は、安全を考慮して、5分程度(50m3/min)の換気をお願いします。
- Q騒音はどの程度ですか
-
放電破砕工法は瞬間的な膨張破砕を行うため、単発で破砕音が発生します。
標準的な破砕音の発生間隔は、10分から30分程度です。計測点までの距離 10m 30m 100m 単発ピークレベル 100dB 70dB 50dB 等価騒音レベル 70~80dB 50dB 50dB 詳細については、ご相談をうけたまわります。
- Q振動はどの程度ですか
-
地盤条件によって大きく異なります。 (重機の移動により振動するような場所では、揺れる可能性があります。)
- Qノイズは発生しますか
-
瞬間的なノイズは発生します。
ただし、放電近傍(1m以内)にて、オシロスコープ、パソコンなどの精密機器に誤動作や異常を起さないことを確認しています。
精密機器等への影響については、相談をお願いします。
- Q迷走電流は発生しますか(誘爆しないですか)
-
迷走電流が発生しない機器構成(システム)となっています。
放電破砕工法の技術・製品、及び
パートナー契約に関するお問い合わせ
株式会社カナデビアエンジニアリング
機械・建設事業本部 エンジニアリング部大阪プロジェクトチーム
〒551-0023 大阪市大正区鶴町2丁目15-26
TEL:06-6555-7030/FAX:06-6555-7064
E-mail:houden@kanadevia-eng.com